『まぼろし博覧会』を堪能した西雑司が谷遠足同好会一行は急いで『怪しい少年少女博物館』へと向かいます。
国道135号線の城ケ崎海岸入口交差点にほど近い場所にあり、怪しい像が突っ立っているので迷わず見つけることができます。
既に16時近くになっており時間の猶予はありません。
一行は急ぎ足で入館するのです。
「え?入館料払わないとダメっすか?」
「はあ?おまえが行きたいって言ったんだろ?」
「井苅さん持ちじゃあないんっすか?」
「え?何言ってんの?」
「勘弁してくださいよ、もう手持ちが無いんっすから」
「『連れてって下さい』じゃなくて『行きましょう』って言ったんだから、自分で払うのが当然だろが!」
館内は凄まじい光景がひろがっています。
時代別ジャンル別に一応は区分されているようにも見受けられますが、まあだいたいの適当感がただよっています。
博物館とは名ばかりで、しかしコレクションの展示かと思えばコンプリートしていない中途半端なものばかり。
「お、この仮面ライダースーパー1の変身ベルト持ってたぞ!」
「俺マリオの裏面に行けるんっすよ」
「これうちも持ってました♪」
その当時は必要としていたが、いつの間にか要らなくなって廃棄された物の集積所。
唯一無二の品では無く大量生産された物品。
それゆえに他者と同時代の記憶を共有出来たり、その当時の記憶を思い出してみたり…。
(27.10.11)