スポンサーサイト

  • 2017.11.15 Wednesday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -
    • -

    【新宿区大久保】高麗博物館へ行ってみた【在日・韓国朝鮮人・朝鮮族】

    • 2013.05.23 Thursday
    • 00:00
    DSC08370 (2).JPGDSC08393.JPG

    「大久保の高麗博物館へ行きませんか?」 
    井苅に帰還兵くんからの突然のお誘いが。
    「なんだよそれ。今度は半島絡みか?」
    「ええ、半島系の“市民が作る日本・コリア交流の歴史博物館”だそうでして…」
    大久保にそんな博物館があったとは井苅は知らなかった。
    朝鮮とはそれなりに縁のある井苅である。また、小学生の頃に読んだ児童向け歴史本の満洲国の記述が下地になり五族協和を訴える右翼になってしまった井苅である。
    これは行くしかない。
    しかし博物館員が攻撃的な人たちだったらどうしよう。
    井苅の思想は非常に誤解を受けやすい上に、左右のみならず全方位から“敵対勢力”と見做される恐れがあるのだ。
    そうだ、倅を連れて行こう。
    幼い児童を連れて行けば文明人であれば手出しはしまい。
    「非道いっすね井苅さん。子供を人質っすか?まともな親の思考とは到底思えないっす…」
    「俺は自衛隊で徒手格闘2級(型のみで誰でも取れる)と銃剣道を修めたが残念ながら実戦経験が無いのだ。いざとなったら戦わずして争いを回避する方法をまずは取らねばなるまい」
    「いや、まずは争いになるような言動を慎むことが重要っすよ。くれぐれも勘弁してくださいよ」

    DSC08361.JPG

    新大久保駅で倅を連れた井苅は帰還兵くんと合流です。
    「うあ!マジで倅くん連れてきたんっすか!?」
    「きかんへいせんせい、こんにちわ」
    「こ、こんにちは…」
    「いや、先日のは冗談半分だったんだがな、俺が休みだとなぜか保育園へ行きたがらなくてな、それでまあ仕方なく…てことは倅の自由意志なんでもはや俺の責任では無く…」
    「……」
    三人は西武新宿線の脇道を新宿方面に歩いて行きます。
    目指す高麗博物館は職安通りの雑居ビル第二韓国広場ビルの7階にあります。
    エレベータで昇るとワンフロアが博物館のスペースとなっています。
    「こんにちは」
    予想に反して受付で出迎えてくれたのは穏やかな熟年女性がふたり。
    どうやらこれはトラブルは回避できそうだと内心ほっとする帰還兵くんでした。

    DSC08376.JPG

    DSC08381.JPG

    DSC08382.JPG

    DSC08383.JPG

    DSC08385 (2).JPG

    平日の昼時のせいなのか館内はがらんとして見学者は井苅たちのみです。
    「こちらはどのような人たちが関わっているのですか?」
    「在日コリアンや中国朝鮮族の人たち、帰化した人たちに日本の支援者たちもいますよ。南北や朝鮮族など共存し合ってるコリアンタウンって世界的にも珍しいんですってね」
    学習・勉強会や講演会なども行っており、支援してくれるボランティアも募集しているとのこと。
    やはり一番の目的は日本とコリアの交流を深めることであり、その歴史を知り広めることにあるようなのでした。
    「最近は在特会なんかのデモとかありますけど影響はありますか?」
    「なんだか少し街を訪れる人が減ったようにも感じますね」
    「あいつらばかだからなあ、困った奴らだよ」
    思想的政治的に何かあるといった印象は井苅は受けませんでした。
    これからも生きて行くため、今まで生きてきた証しを残すため、つまりは生存をかけた戦略のための拠点と言ったら言い過ぎでしょうか。
    「これは気合がはいってんなあ、うっひょひょひょひょ…」
    展示物を見ながら帰還兵くんは感心しています。
    しかしあまりにまともでまじめな博物館で井苅は拍子抜け。
    「不埒な鮮人だったら論戦を挑もうと思ってたんだがなあ…」

    DSC08380.JPG

    DSC08377.JPG

    DSC08390 (2).JPG

    「ボクお名前は?おいくつかしら?」
    最近どうも初対面の人とは恥ずかしがってお話できない倅は俯いて五本指を向けます。
    「あらあら照れちゃって…。五歳なの、そう、太鼓叩いてみる?これ、朝鮮の太鼓なのよ」
    この人たちが倅の名前を知ったらどのような反応をするか楽しみだった井苅でしたが、これはちょっと残念な結果。
    前述したように井苅は某社児童歴史図書の昭和初期の『軍部の台頭』の章に登場した某軍人に小学生の頃大きな影響を受けており、倅くんにその某軍人の名前を付けてしまったのでした。
    いわゆる“日本の侵略”の重要人物で満洲に大いに関連するものですから、コリア系の人たちの反応はどうかと井苅は思った次第。
    ちなみに、中国人にはこの名前に反応する人はほぼ存在しないと言う不思議な現象が…。

    それはともかくとして、井苅はこの列島、半島を取り巻く現在の歴史観には疑問点や不満点があります。
    いったい“侵略”とは誰が誰を(何を)侵したのか?
    つい最近井苅は2ちゃんねるのオカルト板で目にした書き込みに衝撃を受けたのでした。
    それは「日本の侵略とは、中国、欧米列強の支配地(植民地)を侵したことである」との書き込みでした。
    確かにそうだ、なんでそんな単純なことに自分は気づかなかったのか。
    その当時アジア・太平洋地域は中国(清は中国か?とか厳密には疑問だが、まあ、とりあえず中国ということにしておきます)と欧米列強の“財産”なのでした。
    財産とは有形無形、土地やその住民や資源が含まれます。
    明治大正期の清、ロシア、ドイツ等に対する戦争では彼らの財産を奪うことに成功しました。
    しかし昭和期のその目論見は大東亜戦争に失敗し断罪されることとなります。
    つまり“大戦”とは財産を侵そうとする日本と守ろうとする中国・欧米列強の間で行われたものであり、日本とアジア・太平洋地域原住民の間で行われたものではありません。
    彼らは当時“財産”に過ぎず“モノ”である財産は“人間によく似たモノ”であっても“人間”ではなかったのでした
    (そこに“人間”としての権利を中途半端に付与しようとした日帝の浅はかさが、以降の混乱と錯誤をもたらす原因となっていると思われる)。

    要は、日本国と日本国民は“所有者”であった「中国と欧米列強に対し、その“財産”を侵した謝罪と反省」をするべきなのです。
    「アジア太平洋地域の住民に謝罪と反省」をすると、それは「大東亜共栄圏を達成できなかった謝罪と反省(日帝による被植民地人民の解放と独立の不達成の謝罪と反省)」になってしまうのです。
    なにしろ彼らは当時“所有者”からすれば“モノ”に過ぎなかったのです。
    それは三八式歩兵銃に必死に謝罪と反省をする皇軍兵士にも似た行為です。
    つまりは「アジア太平洋地域の住民に謝罪と反省」とは日帝の大義の域を、大東亜共栄圏や八紘一宇の域を出ていない・その内にある思考・行為と言えるのではないでしょうか。
    それ故に今でも中共や欧米諸国の信頼を得られない、あらぬ誤解を受けることになっているのではないのでしょうか。
    この、日本国、日本国民の歴史認識・歴史観の錯誤は致命的と言っても過言ではないのかも知れません。
    「日帝が世界史を変えた」と言う奢りが保守派右派のみならず、「侵略だ」と主張する左派にも無意識に存在することの証拠となっているのです。
    その奢りを無くするためには歴史観を改めねばなりません。
    ここは安倍総理に「大日本帝国は中国と欧米列強のアジア・太平洋地域の“財産”を侵略しました。ここに謝罪と反省の意を表します」と世界に向けて発言していただきたい。
    それによって日本国および我々日本人の戦後…のみならず大日本帝国の意識が終焉し、新たな時代へと向かうことができるでしょう。
    そして安倍晋三は「時代を変えた偉大な政治家」として日本史のみならず世界史に名を残す偉大な政治家になります。
    今こそ日本国と日本国民はその奢りを捨て去るべきなのです。

    「ところで、この辺でお勧めのお店ってありますか?」
    そろそろお腹の減ってきた時分です。
    辛い物好きの帰還兵くんですが、こう幾つも朝鮮料理店があってはどこに行けばいいのか迷うばかりなのです。
    「そうねえ、ここなんかどうかしらねえ」



    DSC08397.JPG

    「ああ、なんだ靴を脱がにゃならんのか!」
    ブーツを履いている井苅は不満顔。
    「いいじゃないすか、韓国っぽい雰囲気で料理も美味そうっすよ」
    「そんなこと言って結局俺の奢りなんだろうが…」
    ぶつぶつ言いながら入店する井苅。
    熟年の半島系男性従業員が有線で流れる『木綿のハンカチーフ』に「ああ懐かしいなあ」と反応している様子に井苅は苦笑い。
    客も従業員もコリアンが多く、聞こえてくる会話は朝鮮語ばかりで店内はコリアンが多数派なのでした。
    「コリアンが支持してると言うことは本場の朝鮮料理に極めて近いってことだな」
    料理は値段を考えると満足できるものであり、井苅たちは満腹になったのでした。

    「しかしコリアンは大陸と列島で運命が大きく分かれたよな」
    「え?なんの話っすか?」
    「中共籍の朝鮮族から聞いた話なんだが、朝鮮族にもその居住・所属する国によって階層・序列があるそうだ」
    曰く、北から南へ下るほど階層序列が下になるとのこと。
    つまり中共人民>北鮮人民>韓国民>在日…らしいのです。
    「まあこれは某中共朝鮮族の人の認識で、しかも中国の某大学のコリアンコミュニティ内でコリア系留学生の扱いってことらしいから、それが全コリアンの共通認識かどうかも怪しいんだけどね。ともかく十数年前の中国内の某大学ではこのような階層序列が存在したことは事実らしい」
    「なんか気分の悪くなる話っすねえ…」
    「列島に渡った鮮人は差別される対象だ。日本国民になった者もその出自を問われ差別されたりする。
    一方の満洲国へ開拓民として渡ったコリアンは今や中共人民として地域の支配者であり権力者であり、むしろ差別する側だったりする。
    いったいこの差はどこからきてるんだ?どっちも“日帝臣民”だったわけじゃないか」
    「それは…井苅さんの歴史観から推測すれば、中国からすれば元もと属国(財産)っすからね。それが戻ってきたわけっすから国籍を与えるのはごく自然です。コリアンからしても長きに渡る中華帝国の被支配民としての意識が無いわけじゃないからそれを受け入れるハードルは、にわか帝国の日本国籍を受け入れるよりは低かったんじゃないかなと…」
    「帝国経営のノウハウに関しては中国はえらく長い歴史があるからなあ。日帝はその点をまともに検証したのかどうか疑問だよなあ…」

    実は井苅は博物館員にも同じ質問をしていたのでした。
    その回答は「戦後の日本政府の対応が悪く…」とのことで予想通りであり、井苅もそれに異論はないのですが、どうももやもやしたものが胸に残ります。
    いったいコリアンの被害者意識はどこまで続くのか。いったい本当に半島民は純粋に被害者なのだろうかと井苅は思うのです。
    コリアンは果たして「日帝支配における被害者」との視点だけで捉えて良いのでしょうか?
    「だってさ、当初は大清帝国の財産(属国)だったわけじゃん。それが日帝支配に代わってさ、要は日帝の財産(属領)になったわけだよな?他のアジア・太平洋諸地域と違うのは、財産扱いでも支配国から人間扱いされてたって点だよ。一応属国だけど独立国家だったり日帝臣民だったり、明らかに植民地住民のそれとは異なる扱いだよな。だからそれからの行動の一切は支配側にあって、被支配者のコリアンには一切の責任が無いって言い切ちゃって本当にいいのか?」
    よく“日本の侵略”で出てくるのは豊臣秀吉ですが、そのような大昔の話がでるのであれば、いわゆる“元寇”の話を出さないわけにはいきません。
    蒙古襲来と言われればモンゴル帝国(モンゴル人)の侵略のように思われますが、実際はモンゴルと高麗王国(コリアン)の連合軍による日本侵攻です。
    国を脅かされて服属していただけだからコリアンに侵略の責は無いと言い切っていいのでしょうか?
    また、近い時代に目を向ければ韓国のヴェトナム戦争参戦があります。
    あれは米帝の圧力で仕方なしに参戦したので韓国に責は無いと言い切れますか?
    「だから話が平行線なんだよな。支配される当初は被害者なんだけどさ、それからは支配国といっしょに行動を共にしてるんだよ。だからコリアンも支配国同様の加害者なんだし侵略者なんだよ。現実から目を背けるなと言いたい」
    近代日本の防衛線の際限の無い拡大は被害者意識の肥大化の結果であり、ついには連合国に大敗北を喫してしまった。
    被害者意識で凝り固まれば決して良い結果は生まれない。
    本当に自身に責は無いのだろうかと自らを鑑み反省し、必要があれば謝罪することは重要なことである。
    いったいコリアンは“正しい歴史認識”を持っているのか自問自答したことがあるのだろうか?
    そこが井苅がもやもやしている点であり、憤りを感じる点なのでした。

    「だからさ、属国を奪ったことに対して中国に謝罪したら、あとは大日本帝国の“国内問題”なんだよ。
    同じ帝国臣民なのに列島原住民と半島原住民とでは扱いに差がありませんか?とかさ、
    強制連行とか従軍慰安婦とか当時の労働管理の基準からしてもどうなんですか?とかさ、
    半島も列島も等しく同じ土俵で、日本人も鮮人も在日も元日帝臣民としてさ、中国と欧米に対する侵略国としての立場で当時を検証しなきゃ解決しねえんだよ。
    加害国対被害国、加害者対被害者の図式で議論したって埒が明かねえのは当たり前なんだよ。
    でもさ、これは日本側は現代の労働者問題に繋がっちまって国がひっくり返っちまうから政治家や運動家よりも経団連なんかが圧力かけてやらせないかもな。
    半島も加害国って認めたら中国様米帝様からの睨みがきつくなるだろうし、日本同様労働者問題で財閥に飛び火するだろうからやりたがらねえだろうなあ。
    だからわざと半島と列島の人民が“正しい歴史認識”を共有しないように支配者が示し合わせてミスリードしてんじゃないの?」
    「いえ、それは考え過ぎじゃ…」
    「唯一被害者面できるのは北鮮だよ。あそこは日帝関係者とか恩恵を受けた者とか有力者とかを粛清しまくって過去を清算してる。あの判断は正しかった、さすが抗日英雄金日成!」
    「そ、それは確かに…」
    「そうか!わかったぞ!」
    酔いがまわった井苅は叫びます。
    「これって日韓のみならず中国アメリカの真の支配階層もきっとグルなんだ。これらの国に共通する点は労働者をモノと同じに見做して安く使い捨てることによってコストダウンを図ろうとしてることにある。人民や労働者を縛り付けようとしているし搾取しようとしてる。
    日韓が正しい歴史認識を共有することによって資本主義や新自由主義が危機に晒されてしまうんだ。
    だから韓国の政治家がわけのわからん嘘を世界に広めたり、日本の政治家が妄言を吐いたり挑発合戦をして真の倒すべき相手を絞らせないようにしてるんだな!ちくしょう、そうだったか」
    「……」
    さすがにここまで来ると歴史学や社会学の労働問題の範疇ではなくムーの出番でしょう。
    「井苅さん、しばらくオカ板は控えた方がいいっすよ」

    DSC08400.JPG

    DSC08402.JPG

    DSC08404.JPG

    「オカルトと言えば…そこにいるのは小泉八雲じゃないか?」
    店から出てぶらぶらと歩いていると、住宅地の中に中途半端に古代ギリシア様式を模倣したなんともチープな公園が現れます。
    「小泉八雲はオカルトってよりも怪談っすよ。あ、ギリシア人だったんすね、知らなかった…」
    「なんだ、そんなの常識だろ。しかし小泉八雲がここに住んでたとは知らんかった」

    「だいたいよう、こいつだってもう日本人みたいなもんだろ?て言うかこれってそんな扱いだよな?
    出自がギリシアな渡来人って現代ではそんな認識だろ?
    詳細は知らんがこいつが日本を愛し日本の法規を遵守し日本国万歳を叫べば出自は関係ねえ、立派な日本人だ。
    それを日本人は差別したり、在日は日本は侵略者だとか言うくせに帰国せず居座ったりする。なんなんだこりゃあわけがわからんぞ」
    「まあ、それはまたいろいろと事情があるんっすよ…」
    「五族協和の満洲国の理想はどこへいったんだ?それは日帝の理想社会の指針じゃなかったのか?しかし中共はうまくやったな、五族協和どころか56族協和を問題が無いとは言わんが実践しとる。これぞ満洲国の理想を受け継ぐ…」
    「ていうより五族協和の考えの出所は元もと中国なんっすけど…」

    意味不明の言動を弄する酔った井苅でしたが、次はかみさんも連れてきて家族みんなで民族衣装を着て写真を撮ろう、などと考えているのでした。
    ちなみに入館料のほかに追加200円でチマチョゴリ・パジチョゴリが試着できるのです。
    大久保はいい街です。
    日本人とコリアンが真に正しい歴史観を持ち手を携えればもっとよい街になります。
    その時はきっとこの日本国も、もっと住みよい国になることでしょう。

    高麗博物館HP

    (25.5.27)

    PR

    calendar

    S M T W T F S
       1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031 
    << May 2013 >>

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM