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    天気が良くないのに花見に行く

    • 2013.03.25 Monday
    • 00:00

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    今年は3月下旬に早々と桜が満開になってしまった。
    それじゃ花見でもするかと思ったが、休みの日があいにくの天気である。
    それほど花見にも桜にもこだわりのない井苅だったが、息子が「どうぶつえんにいきたい」と言うのでとりあえず出かけたのである。
    吉祥寺駅で降りて井の頭公園へ向かう。
    途中で帰還兵くんと合流。
    「きかんへいせんせい、こんにちわ」
    「こんにちは倅くん。どうも井苅さん、僕はちょうど腹が減ったところで、なんか海鮮丼でも食いたい気分っすねえ。倅くんもお腹が空いてるんじゃないっすか?…ごちになります!」
    「なんだよ顔合わせた早々ちゃっかりしてやがるな」

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    幸いにも雨が止み、動物園をめぐっている間には傘をささずに済んだのでした。
    それでもいつ雨が降り始めてもおかしくないような空模様。
    「ぼーとのりたいなあ」
    「お、いいっすねえ。僕も池から花見したいっす」
    「なんだよめんどくせえなあ。手漕ぎは駄目だぞ疲れるからよ。あと、スワンは料金高いばっかりで視界も悪いし、しかも自分が乗ったらスワンの姿が見えねえんだから全く意味がねえんだからな」
    ぶつぶつ言いながら帰還兵くんにお金を渡して井の頭池へ向かう井苅。
    屋根付きの足漕ぎボートに3人で乗船です。

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    「うひゃあ、リア充ばっかっすよ、うっひょっひょひょひょ」
    周りを眺めればボートに乗っているのはカップルばかりなのです。
    他人は他人、自分は自分の井苅からすれば別にどうでもいい状況なのですが、ある種の考えを持つ者にとってはきっと悪夢にも似たエリアであることは間違いありません。
    「うあ、なにやってんですかあいつ!」
    帰還兵くんの示す方向に目をやれば、30歳前後の青年が独り手漕ぎボートで果敢にリア充ボートの領域を侵犯しようとしていたのです。
    「リア充の池でおひとり様ボートっすか、かっけー!」
    お世辞にもイケメンとは言えない青年ですが別段キモメンでも無く、しかしあまりモテそうでもないかわりに何か強い意志のようなものを感じさせてくれる容姿をしています。
    「ありゃ、あいつどこいくんすかね?」
    さっきからおひとり様ボートはあっちへうろうろこっちへうろうろ。
    その針路は池に張りだした桜の枝の下を狙っているように見えます。
    「あ、やっと停まりましたね」
    やはりそうでした。彼は落ち着いて花見ができる場所を探していたようです。
    しばらくしてボートのなかでごろんと仰向けになったのでした。
    「おや?なんか取り出しましたよ?」
    コートのポケットからおもむろに文庫本を取り出すと彼は読書を始めたのでした。
    「ぶっ!ラノベっすよあれ!独りボートで桜の枝の下でラノベっすよ!こんなリア充だらけのなかで僕にはマネできないっすよ!かっけー!!」
    あいつスゲー、カッケーを連発する帰還兵くん。
    「あれ?なにやってんだあいつ。また移動か?」
    見るとおひとり様ボートの彼は本をしまうと船着き場へと急いで向かい始めました。
    それに続くように他の手漕ぎボートのリア充たちも船着き場へ針路を変えつつあります。
    そう、屋根付きのボートに乗る井苅たちは気づかなかったのですが、その時雨が降り始めていたのです。
    屋根の無い手漕ぎボートではひとたまりもありません。
    「雨っすか、そうかー、それでなんか悔しそうな表情だったんすねえ」

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    帰還兵くんと別れた井苅と倅くんは山手線の駒込駅へ向かいます。
    この時期は六義園の枝垂桜が見頃で、特別に閉園時間を延長してライトアップされた夜桜見物が楽しめるのです。
    仕事を終えた井苅の奥さんと駅で合流。
    しとしとと雨が降る中、傘を差しながらの花見です。
    「行ってみようと思ってたんだけど毎年時期を逃しちまってなあ。染井吉野よりも開花がはやいんだよなあ」
    「雨のせいもあるけどもう見頃はすぎてるよね?」
    昼間とは趣の異なる夜の六義園を堪能し、一行は雨の中を駅に向かったのでした。

    (25.5.11)

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