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    冬の湘南、江の島遠足会

    • 2013.01.28 Monday
    • 00:00

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    【開催日】 平成25年1月28日(月)
    【開催地】 神奈川県藤沢市江の島
    【参加者】 青江麻央…別名“革命少女”。井苅のことを師匠と慕っている
     
           倅(せがれ)…井苅の息子。国民補導連盟序列第3位の“少年大将”。5歳
           井苅和斗志…鬱でアル中

    「そうだ、初詣に行ってない」
    幼少の頃から現在まで初詣などと言う習慣の全くなかった井苅なのだが、とりあえず暇なのでどこかへ出かける口実が欲しかったらしい。
    「初詣と言えば神社仏閣。集中してる場所と言えば鎌倉…」
    と言うわけで井苅は倅とヒマ人代表の青江麻央を引き連れて鎌倉駅ホームに立っている。
    せがむ倅にキオスクで大仏飴を買い与えふとまわりを見れば『江ノ電のりば』の大きな看板。
    缶ビールを開けつつ井苅は言う。
    「おい、おまえ江の島に行ったことあるか?」
    「え?あ、あたしは…」
    「俺は無い。せっかくだからちょっと行ってみたい。倅はどうだ?」
    「うん、いきたい」
    倅くんはよく理解できてないでしょと思う青江だったが、井苅の思い付きの予定変更で三人は江ノ電の改札へ向かうのです。

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    「江ノ電に乗るのは中学校の社会科見学以来だから20数年振りだなあ」
    「そうなんですか?あたしは学生時代は湘南の海にはよく…」
    「ぱーぱ、みて、でんしゃ、どうろはしって、ろめんでんしゃだ〜」
    気が付けば車輌は道路を走る併用軌道区間へ突入。
    「うわあ、本当だ、師匠!電車が道路に…」
    …て、おまえ、湘南にはよく来てたんじゃなかったんかい。
     

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    休み明けの月曜日のお昼前のせいかそれほど人は多くない。
    風があり気温が低いのだが日差しは強く眩しい。
    「しかし師匠ってなんか湘南って似合わないですよね」
    「なに?」
    「どうも師匠って夏ってイメージ無いし、でも冬の江の島ならだいじょぶかなあ」
    「余計なお世話だ。よく湘南に来てたとか見栄を張る奴には言われたくない…」
    晴天のおかげで雪の積もった富士山や江の島山頂の展望灯台シーキャンドルがくっきりなのです。
    「ぱーぱみて、ここ、『Aチャンネル』でるんちゃんたちきてた」
    ああ、そう言われてみれば水着回では江の島近辺が舞台になっていた。
    「なんですか師匠、Aチャンネルって?」
    「まあ、と言うわけで、今回は聖地巡礼の一種でもあるわけだな」
    「?」

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    「しかし急な階段だなあ」
    江島神社へ参拝するには崖にへばり付くような階段を登らねばならないのです。
    「師匠、あの階段はキツそうですねえ」
    「そこでだ、そのエスカーを利用する」
    井苅は参道の左側を指差すと窓口で「江の島1dayパスポート」を購入する。
    「小学生未満の幼児は無料だってさ」
    青江にチケットを渡してさっそくエスカーへ。
    昨今は地下鉄やら巨大商業施設やイベント施設なんかで長大エスカレータが珍しくないせいか、何とも拍子抜けな規模のエスカレータなのです。
    当然のことにあっという間に崖の上の拝殿敷地に到着。
    「あのう師匠、エスカーっていったいどこに?」
    エスカレータから出た青江は周囲をきょろきょろと見回している。
    「何を言っている。今のがエスカーだ」
    「え?今のはエスカーに乗る場所に向かうためのエスカレータなんじゃ…?」

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    エスカーを三区間乗り継ぐと島の最上部へ到着です。
    「ぱーぱ、みて、ねこいっぱいある」
    地域猫たちがそこかしこに丸まってひなたぼっこ中。
    「なんか随分と人に慣れてるなあ」
    やんちゃな倅が近づいても逃げもしないで触られ放題で倅は大喜び。
    「あれ?倅くん、この猫…」
    倅が撫でている灰と白のツートンカラーの猫を見て青江は言う。
    「これってあのパソコン遠隔操作ウイルスの犯人が首輪にチップを仕込んだって言うあの猫じゃ…?」
    確かにそう言われてみればそうかも知れない。
    「植物園前で確保って話だったからなあ、まさにここはその場所だしなあ…」
    「ぜったいそうですよ!この猫です!これはまたいい記念になりました!」
    嬉しそうに件の猫を撮りまくる青江と他の猫を追い回す倅を放って、井苅は売店で生ビールを頼んで寒い屋外でぐいぐいと飲むのだった。

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    「あそこ、のぼってみたい」
    倅が指差す先には展望灯台江の島シーキャンドル。
    まずはサムエル・コッキング苑と称される植物園へ入らねばなりません。
    植物園の見学はそっちのけで展望灯台へ向かう一行。
    湘南の街並みから房総から相模湾から大島から富士山もくっきり一望できるのです。

     
                      
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    「あれみてみたい」
    倅が指差す先には誰が使うのか有料望遠鏡が。
    「このチビまた親に無駄遣いさせる気か」
    財布から100玉を取り出し苦い顔で倅に渡す井苅。
    しばらく望遠鏡を上下左右に振り回していた倅が嬉しそうに叫ぶ。
    「ぱーぱ、ふじさん、みえた!」

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    「次は洞窟探検だ」
    急な階段を降りると崖に開いた岩屋と言われる海蝕洞へ。
    受付でロウソクを貰って奥へと進みます。
    「ぱーぱこわい、もうかえろう」
    別にロウソクが無くても洞内には照明もありそれ程暗くはないのですが幼児には充分怖い様子。
    奥まで行って戻ってきて受付にロウソクを返納すると倅は明るい出口へ一目散。
    「ふふふ甘いな、今のは第一岩屋だ。まだ第二岩屋へ行かねばならん」
    「倅くん可哀そう…」
    嫌がる倅の手を引いて第二岩屋奥に鎮座する龍とご対面。

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    「したにいってみたい…」
    した、とは岩屋の前に広がる稚児ヶ淵と称される岩場のことで、そこには磯釣りする人や散策する人たちが。
    「あー、師匠、海がとってもきれいだなあー」
    倅の手を取って海の方へと突撃する青江。
    「おい!滑るから走るんじゃない!」
    海藻やらフジツボやらで足元の悪い岩場である。
    転んだり海に落ちたりしたらと井苅は気が気ではない。
    「ちょっと!そんなに海に近づくんじゃないって!」
    突き出た岩の上に立つと拳を振り上げて青江は叫ぶ。
    「我が生涯に一片の…」
    「おいおい、おまえ悔いだらけだっていつもぼやいて…」
    「訂正!」

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    「師匠、大変申し上げ難いのですが、あたしたちおなかがすいていてですね、倅くんももう歩けないって…」
    「あたしたちって、倅をだしに使うなよ」
    「てへへ」
    「てへへじゃねえよ、まあ、でも俺も腹が減ってきたしなあ」
    土産物屋や飲食店が並んでますがどうせどこも…と思うとなんとも決めかねてしまうのです。
    「もうここでいいじゃないですか。そろそろ夕日が見れますし…」
    相模湾と富士山が一望できるお店へ。
    「倅くんはラーメン食べたいみたいですよ。師匠はなに食べます?」
    とりあえず生ビールを飲みつつ井苅は言う。
    「この、江の島丼とやらを。『つり球』ってアニメで『えの・しま・ど〜ん』ってよく叫んでてなあ」
    「そうですか、じゃあ注文しますね、すみませえ〜ん」

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    「なるほど、サザエのたまご綴じ丼か。しかしなあ…」
    「師匠、それ以上口を開いてはなりません。ここは観光地です」
    「ま、まあ、特に期待はしていなかったけどね、ここは眺めを楽しむ店であって、その料金に食事がおまけに付くと考えればなあ…」
    「ぱーぱ、おひさまみて」
    今まさに夕日が伊豆半島へ沈もうとしている。
    「きれいですねえ」
    思えば倅と夕日を眺めるのは初めてかも知れない。
    井苅の住む都内では開けた場所が無いので日没なんていつの間にかが常態なのだ。
    「俺が子供だった頃は父親と一緒に山や海岸で海に沈む夕日を眺めたりしてたなあ。
    富士山が赤く染まって綺麗でなあ…」

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    「今日はどうもありがとうございました。おかげで革命のための鋭気を養うことができました」
    「いやいやこちらこそ。休みの日はひとりでいると精神状態が悪化しちまうんでなあ、一緒に出掛けてくれて助かったよ」
    「しかし師匠、ひと言いいですか?」
    「なに?」
    「ちょっと飲み過ぎだと思いますが…」
    帰りの江ノ電を待つ井苅の手にはまたしても缶ビールが…。
    「そう言えば、当初の予定は初詣だったよなあ」
    「そうですけど何か?」
    「俺、写真撮ってばかりでお参りするの忘れちまったよ」
    「いえ、飲んでばっかりだったから忘れたんですよ」

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    (25.1.29)

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