原稿完成前祝い大宴会〜国民補導聯盟12/31(土) 3日目 東O47a〜

  • 2011.12.20 Tuesday
  • 16:44

国民補導聯盟のホームページ
                                  
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                       補導聯盟通信 2011年冬号
【内容】

※伝説の桑絹村長選(Actin)
 …202人という大量立候補者を出した1960年桑絹村長選がなぜ起きて、どのような選挙であったかを詳しく紹介

※霊波之光教団施設潜入記(関根 元)
 …宗教団体「霊波之光」の本部施設の潜入レポート

※予備自衛隊訓練 朝霞駐屯地での邂逅(異界洋香奈)
 …元自衛官の予備自衛官訓練を基にした読み物

漫画

※びすますのおはなし。其の二の場合、長針。(ようた。)

※由美子(DJ ERIERI)

また、2011年夏号の再販も行います。是非お越しください。

「もしもしワタシです。ようやく印刷屋さんへの入稿が終わりました」
「おう、お疲れ様!それは良かったな」
「も〜、まるで他人事ですね、ここにこぎつけるまでどれだけ大変だったか…」
「あ?なんかトラブルでもあったか?」
「何か…じゃないですよ!皆さん全く原稿を提出してくれなくて…。一番早かった関根氏ですら締切日の2日後なんですよ!」
「そうだったか。安心した」
「安心した…じゃないですよ!アナタも含めて皆さんギリギリじゃないですか!原稿貰ったからってすぐに入稿できるわけじゃないんですよ!ページ数を調節したりレイアウト決めたりの作業があるのです!皆さんそのあたりの苦労を全くわかってない!」
「いやあ、悪かった悪かった。次回は気をつけるよ」
「入稿が遅れて印刷できなかったら悪かったで済む問題じゃないんですからね!その点ご理解いただきたい…」

仕事の合間を縫ってサークルのために同人誌編集に孤軍奮闘する編集長をよそに、執筆者たちが原稿を提出せずにいったい何をしていたのか。
編集長が知ったら激怒必至の行動が、今ここに白日のもとに晒される。……

        

原稿提出締切日を過ぎること数日。
繁忙期でなかなか休みがとれなかった会長は久しぶりの休日を炬燵で過ごしていた。
編集長を拝み倒してその休日を提出日にしてもらっていたことは言うまでもない。
しかし日々の疲労が蓄積した会長の執筆は遅々として進まなかった。
気分転換にツイッターへどうでもいいようなつぶやきを投稿する。
『タムロンからEマウント用ズームレンズが発売されるよ』
『俺って実はモテるんだぜ。ただし還暦以上の熟女限定』等々…。
それを見ていたのは電車に乗って女学生観察小旅行決行中の補導聯盟メンバーのヤギウダー氏だった。
『会長さんはもしかして今日はお休みですか?』
『ああ、そうだけど原稿執筆中なんだが…』
『このあと池袋あたりで会えませんか?』
『ああ、構わんよ』
お誘いを受けた会長は原稿そっちのけでもう外出する気である。
まずは白虎野くんに連絡をとる。
ツイッターのつぶやきから白虎野くんも締切に追われていることは会長は知っているはずなのにである。
『このあと一緒に食事でもどうですか?』
『でもボクは原稿完成がまだです』
『俺もまだです』
『編集長に怒られてしまいます』
『しかし俺は聯盟の顧問です。オーナーです。最高権力者なのです。編集長も俺には逆らえない…』
『わかりました。ひと段落したら出ます♪』
次いで会長は帰還兵くんに電話をする。
「なんすか?いまミッションから帰って寝ようと思ってたんすけど」
「池袋に集合だ。これから会合だ」
「えー?!マジっすか?装具と身体の手入れがあるからちょっと時間かかりますよ」
「構わんよ。それじゃよろしく」
会長は更に革命少女に連絡をとる。
『このあと池袋に集合だ。革命同志諸君が集って日本を改革する会合を行う』
『本当ですか!?今日は仕事が早く終わったのですぐに駆けつけます!』
また嘘言ってらあ、と思う会長だったが嘘つきはいったいどっちだ?
実を言えばこの日の夕方から会長の奥方である実在ニョーボさんと外食をする約束をしていた会長だった。
それもこれも一緒くたに済まそうとしている欲張りな会長だった。

           

約束の時刻から1時間遅れた会長はまずはヤギウダー氏と合流する。
「どこいきますか?」
「とりあえずヤマダ電機でも行くか」
ふたりがニヤつきながらカメラコーナーを冷やかしていると帰還兵くん登場。
「おまたせっす。またカメラっすか?落としてもぶん投げても壊れない耐久性が戦場では求められるんすよ」
音楽・映像ソフトコーナーへ移動しアニメソフトを物色。その後会長はPerfumeのニューアルバム『JPN』を購入。
「いい歳して恥ずかしいなあ。ビジュアル面は興味無いんだが俺は楽曲的には以前から中田ヤスタカが好きでな…」
「別に恥ずかしいことじゃないですよ」
「そうっすよ、検索すればタダでダウンロードできるのにわざわざ購入するほうがよっぽど勿体ないっす」
それは違法だろが。
玩具コーナーの隅にある自販機でソフトドリンクを購入して喉を潤していると白虎野くんが合流。
「おまたせしましたあ♪」
「おお、なんだか暖かそうな格好してるなあ」
「でも店内だとちょっと暑いですう」
4人は時計コーナーに移動。
「Gショックはかなり頑丈っすよ」
帰還兵くんが袖をまくり愛用の腕時計を見せる。
「もうボロボロじゃないか。まだ使ってんのかよ」
「まだ機能は失われてないっすよ」
「すごいですね」
「もう新しいの買ったほうがいいんじゃないかな?Gショックの面影がまるでない…」
「何いってるんすかヤギウダーくん。オレはいくつものミッションをこいつと一緒に越えてきたんっすよ。言わばこいつは大切な戦友なんっすよ!」
単に新しいの買う金をケチってるんじゃないかなと密かに思う会長だった。
「会長さんはどんな時計が好みなんです?」
「俺はオリエントの機械式だな」
「うわあ高い」
「そんなことないぞ、オリエントは性能の割には安いって。こっちのグランドセイコーを見てみろ」
グランドセイコーのコーナーを眺めてから再びオリエント時計のコーナーで値段を確認する白虎野くん。
「や、安いですう…」
桁がひとつ違えばそれは安くも思えるかも知れない…。
「白虎野くんはどんな時計が欲しいんですか?」
「ボクは懐中時計が欲しいんですけど…」
「それでその懐中時計を“カイチュー”と呼ぶんですね?」
「ちょっと!それ!キャラがダブってるっすよ!」
そんなやりとりの中、革命少女が息を切らせてやってきた。
「同志の皆さんはじめまして!今日は日本を改革する大切な会合があると聞き…」
「は?なんすかそれ?」
「白虎野と申します…」
「可愛らしい。制服が似合いそうですね」
「おお、やっときたか。しかしそんなこと言ったっけ?」
呆然とする革命少女を引き連れ一同はヤマダ電機を後にする。
「みんな何が食いたいんだ?」
「おまかせします」
「何でもいいっすよ」
「おにくおにく♪」
「そうか、肉か、じゃあ焼肉行こう!」
「あの、師匠、会合は…」
会長は仕事が終わって電車に乗っている実在ニョーボさんにメールする。
『いつもの焼肉屋さんに居ます。皆も一緒です』
『了解。また変な人たちも一緒か!?』
やがて5人は会長がよく行くと言う焼肉屋に入店する。

        

「生ビール大で」
「私は生ビール中」
「オレンジジュースをジョッキで」
「コ、コーラを…」
「烏龍茶と白米(大)と馬肉ユッケ♪」
乾杯すると会長は生ビールをごくごくと美味そうに飲む。
「いやあ、疲れた身体に染み渡るようだ。みんなどんどん好きなもの頼め」
次々に運ばれてくる肉肉肉…。
がつがつと肉を頬張る若い面々。それを眺めつつひと回りほど年長の会長は満足そうにジョッキを傾ける。
「ちょっと火が強くないっすか?」
「そうですね。早く食べないと焦げてしまいますね」
「おい白虎野くん、テーブルの下を覗き込んでいったい何やってんだ?」
「火が強いからちょっと調節しようと思って…でも調節つまみが無い…」
「あのう失礼ですが、これ炭火なんで調節はできませんけど…」
「……」

「ところで師匠…」
「どうした?さっきから箸がすすんでないぞ」
「大変言い辛いのですけど、今日は改革の会合って聞いていたので…」
「ああ、嘘ついてすまんかった」
「それでですね、わたし会社に財布を忘れてきてしまって小銭しかありません…」
「はあ?」
「ですのでこのへんでおいとまを…」
「おいおい、短時間で随分食ってたじゃないか!今更何いってんだ、最後まで食え」
「そうっすよ、気にすることないっすよ。足りない分は会長が出すから大丈夫っすよ」
「おいおまえ、勝手になに言ってんだ!」
「会長に奢ってもらったら出世払いで50倍返しなのですう〜♪」
「ボーナスも出たことだし、今日の支払いは俺が持とうと思ってたんだけどね。しかしニョーボがうるさいから皆んなからは出せる範囲でいいから多少は徴収しようと思ってたんだが…」
その時帰還兵くんが何かひらめいたように目を見開いた。
「こうしましょう。会長はいまのうちに革命少女さんにお金を渡しておいて下さい」
「それで?」
「それで革命少女さんは精算の時に会長さんにそのお金を渡すっす。そうすればニョーボさんは革命少女さんが自分の分を支払ったと思い込むっす」
何と言うナイスアイデア。さすが帰還兵くん機転が利く。
「で、なんで俺の金なんだ?思いついたんだからきみが出せばいいんじゃないか?」
「あ、オレも金降ろしてこなかったんで手持ちがないっすよ。50倍にして返すんでオレの分もお願いするっす」
ずいっと会長に向かって差し出された帰還兵くんの手をだだ無言で見つめる会長だった。
「ところでユッケまだかなあ、すいませえ〜ん!」

その後の実在ニョーボさんが来店し、皆の腹が満たされるまで宴は続くのだった。
予算オーバーで手持ちでは足りなかった会長がクレジットカードで支払いをしたことは言うまでもない。
こんなことしてるって知られたら編集長怒るかなあ、とちょっと気になっている会長だった。
しかし会長は編集長を信頼していた。
彼ならできる。彼ならどんな問題でも解決してくれる。
そう、彼こそ世界一有能な編集長。
だからこそ会長は安心して締切をぶっちぎることができるのだ。
編集長にはいくら感謝しても足りないほどだ。
ありがとう編集長!!
酔いのまわった会長はその夜、原稿のことはすっかり忘れてぐっすりと気分よく眠りについた。

    

(23.12.20)
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