【告知】国民補導聯盟@2011年12月31日(土)3日目東O47a

  • 2011.11.18 Friday
  • 14:25

  
       

「もしもしどうもこんばんは、ワタシですが」
「ああ、編集長か、どうもお疲れ様」
「コミケ関連の件は以前ご連絡した通りですが、今回は原稿締切りに関して最終確認を…」
「しかしだな、平凡に生きるってことはなかなか難しいことでな」
「は?」
「いや、人は一人として同じではない。百人に百様の人生がある。近似値はあっても全く同じわけではない」
「あのう…」
「そう、すなわち他者から上っ面だけ眺めて“平凡”たりえてもその個体の主観的視点から“平凡”なぞというものは無いのだ」
「えっと…」
「そもそも“平凡な人生”を選択することはできないのだ。それは目指すものではなく他者がカテゴライズするものなのだ。しかもそれはその個体の詳細探求を放棄した怠け者が用いるいわば自身が無能であることを暴露する言葉なのだ。だから他者を“平凡”と評する者は自らを『私は莫迦なのです』と表明していることと同義なのだ」
「……」
「その“平凡”が意味することの近似として“標準”がある。すなわちスタンダート。近いけれど実は近くないかもしれないがまあこの際それは気にしない」
「……」
「目指すものとしての指標であり、“社会”が求め奨励する生き方がその“標準的人生”“スタンダードな生き方”なのだがこれを達成することは至難なのだ」
「そ、それが何か…」
「何かではない、これは極めて重要なのだ」

         

「いったい何の話なんです?」
「乳幼児どころかこれは生まれる前から課題は始まっているのだ。出生時期出生体重等がある範囲内でないと標準と見なされない。その後の成長の度合いからも標準非標準が決定される。乳幼児は主に“健康”が標準指標として課題とされるのだ。下回れば障碍が疑われ上回れば神童と称される。しかしその時期の本人にとってはそのような意識があるか否かは疑問ではある」
「神童とは何か表現が違うような…」
「児童とは国民になるための準備期間なのだ。よって乳幼児期とは比べ物にならないくらいの課題が個人に与えられる。保護者にはそれを支援する義務と権利が課せられている。よって小学校に通うことは過酷なしれんでもあるのだ。通学し勉学に励み他者とのコミュニケーション能力を向上させ“標準”であろうとすることは過酷な試練なのだ」
「おおげさな」
「大げさではない。かく言う俺に関して言えば小学校に上がる前つまりは幼児の頃から幼稚園と言う“制度”に馴染めず問題行動があったのだ。それでも身体的な面知能的な面では上位に位置していたのでトータルで見ればかろうじて“標準”に収まっていただけなのだ」
「そ、それで…」
「知能的には優位に立っていたことと親が何か勘違いした指導方針を持っていたことが災いしたのだろう。俺は継続することや努力することをこの時期獲得することができなかった。これは“標準”であろうとすることへの大いなる障害であり致命傷なのだ。予習復習宿題前の日の準備、それをこなせない者が中学校に上がるとどうなると思う?」
「中学校の勉強は一般的には予習復習テスト勉強なんかが重要になってきますものね」
「まずは俺は小学校2年3年でとんでもないことになったのだ。掛け算割り算は課業外で暗記せねばまず修得はできない。漢字も家に帰って書き取りせねば覚えられないのだ。まともに宿題をしない俺はどちらもダメだった。ただし読書量は半端ではなかったので書けなくても新聞に載っているような漢字はほぼ読めたけどな。辞書を使えば問題なく意味も解ることだし。作文は苦手だった。かなりの数の漢字を辞書をひかないと書けなかったからだ。書いている時間より辞書をひく時間の方が長い」
「……」
「この時期親の教育方針で家にテレビが無かったことも大きな影響があったのだ。80年代は芸能・アニメ・テレビゲームとテレビを使用したメディアの黄金期と言って良い。その時期にテレビが無く俺はラジオっ子だったのだ」
「ラジオは面白いですよ」
「高学年から中学にかけてかろうじて“標準”であった俺だったが中学2年でついに諦めた」
「いまで言う中2病…」
「もうまともに学校へ行くのはやめた。それでも欠席日数より出席日数のが多かったけどな」

        

「あのうそれでいったい何が…」
「それで俺は“標準的人生”の道から外れたわけだ。高校受験なんてすごかったぞ。まるでやる気がなくってかと言って就職する気もなくって試験も解答用紙は空欄ばかりだったものな。それで合格とした高校側は結局入学金と授業料が欲しかっただけだろう」
「それは言い過ぎでは?」
「だって進学校ではないとは言えその高校に新設された『特別進学科』を受験したんだぞ。答案用紙がほぼ白紙の奴を合格にするその理由がよくわからん」
「……」
「とりあえず高校初日…と言うか入学式すら遅刻して行ったものな。授業中は居眠りばかりで勉強する気も全くなかった。5月の連休後は仮病を使って全く通学しなかったら市立病院へ連れていかれて何やら精神病の診断が下って高校は中退した。もう既に留年決定だったからなあ。大検受ければ同級生に遅れを取らずに大学に進学できるって母親が思いついたらしくってさ、何を今更、あなたの息子は幼児期から“標準”を外れつつあり中学生の頃には既にドロップアウトしていたのですよ」
「それが外面に顕れれば早期に対処できたでしょうね。内面でしかもそれなりに知能がありますと厄介なことに…」
「まあ、その通りだな。とりあえず暗黒の時代をしばらく生きることになったのだが、学校通ってる友人たちのいい溜まり場となってしまってな。いつでも俺が家にいるのが奴らわかってるから休憩所に使われてたわけだ。中途半端に外部との接触を一定レベルで保っていたせいで更に中途半端な人生になったわけだ」
「……」
「なんで彼らは毎日学校へ行けるんだろう。なんで宿題とか塾とかやめずにできるんだろう。不思議で仕方なかったよ。それに比べれば引きこもりなんて大したものではない。こんなもの何の努力もなしにできる。通学して課業外にも勉強したりあとバイトに通ったり部活もしたり、そんな“標準的少年”の課題をこなすことは俺には不可能だった。だから学校を卒業できた者は凄いと俺は素直に思うわけだ」
「…そうなんですか?」
「しかも大学にまで進学した者はもっと凄い。それでなおかつ卒業できた者は更にな」
「会長は大検受かったじゃないですか」
「あんなの一発勝負だ。大した努力はいらん。通常3年かけて修得するものと数時間の試験とでどちらが価値あるものだと思う?試験なんてコツだ。学校で勉強することはその学業以上のものを修得する行為でもあるんだ」
「それで、いったいさっきから何を…」
「つまりは“標準”たりえる人生を送るためにはたゆまぬ努力と辛抱と継続が必要なのだ。会社に入るのだって就職活動って大変なんだぞ。ってそれは編集長は経験済みか。会社で働き続けることも大変な努力だし、家庭を持ってそれを維持することも大変な努力だ」

        

「で、会長も毎日仕事をして家庭を持って、再びスタンダードな生き方に復帰を…」
「否、それは全くスタンダードではないのだ。とりあえずの社会復帰は達成したものの不定休で心身共にすり減らしあとはどの程度の時間が残っているのかわからんような毎日なのだ。いらん努力ばかりで“標準”たる努力はしていない…と言うかできなかった。再びスタンダードに立つことはまずないだろう。それだけ“社会”が個人に要求する“標準さ”とは過酷で不条理なものなのだ」
「いよいよ意味がさっぱり…」
「つまりだ、故郷で平凡に生きたいとかまず無理な願い事なのだ。平凡なんてものは無い。楽をしたいのであればスタンダードな生き方を諦めれば楽な人生を送ることは可能だ。それが幸福かどうかはその人次第だがな」
「……」
「一度その道から外れれば並大抵の努力ではスタンダードな人生には戻れないと言うことだ。それでも努力したいと言っているんだからまあ頑張りなさい、困ったことがあったら出来る範囲で相談には乗りますけどね。しかしやらずに後悔するよりやって後悔したほうがいい。やらないでいると無限の可能性があるが、やってしまえば結果はひとつなのだ」
「それはそうですがそろそろ…」
「つまりだ、俺はそんな人間なので原稿が締切りに間に合うかどうかわからんってことだ」
「はあ?!」
「自衛隊時代のWACとの話をもっと掘り下げて書こうと思っていたが既に時間がない」
「ちょっと勘弁してくださいよ。もうページを割り当ててしまっていて…」
「しかし安心してほしい。先日予備自の訓練に行った時にポメラを持ち込んで課業後に代わりの原稿を書いていたのだ」
「じゃあ間に合うわけですね」
「まあ、訓練から戻ってからは全く続きを書いていないが…」
「ちょっといい加減にしてくださいよ。いったい長々と何の話かと思えば結局は原稿が上がらない言い訳の話じゃないですか!」
「まあ、世の中そんなものなのだよ。とりあえず期限内に原稿は何とか仕上げるよ。それじゃ執筆作業にとりかかるんで失敬!」
「あ、ちょっと会長、まだ話が…」
……

(23.11.18)

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