陸上自衛隊広報センター“りっくんランド”遠足会〜その3〜

  • 2011.09.07 Wednesday
  • 00:00

                        陸上自衛隊広報センター“りっくんランド”遠足会〜その1〜
                        (陸上自衛隊広報センター“りっくんランド”遠足会〜その2〜


        DSC06877.JPG

「ところでさっきの映画のなかの道場の場面で格闘技みたいなことやってましたよね?
 あれってなんですか?会長さんもできるんですか?」
「なかなかいい質問っすね。あれは自衛隊徒手格闘っす。
 日本拳法をベースにいろんな格闘術のいいとこ取りで作られた格闘技っす」
また横から口を挟む帰還兵くん。そう言えば会長が新隊員だった頃、ミリタリーマニアな助教のひとりが徒手格闘のビデオを見せながら「これは世界最強の格闘技なんだぞ」と、さも自分が格闘の達人の如く自慢気に語っていた。
「まあできるかと言われれば、ひと通り“型”だけは習ったけどな。試合とかやるのは本当に強い人とか戦闘職種の人だけだろう。そうだ、ちょっと現役自衛官に話を訊いてみるか」
基本の型を思い出そうと構えを試していた会長だったが、もう十何年も前のことなので思い出すことを断念。ここは現役自衛官に教えを請おうと先ほどの被服貸し出し担当隊員のもとにつかつかと歩み寄ったのでした。
「ああやっぱり元自衛官の方でしたか。なんかそうじゃないかなって話してたところだったんですよ」
女性隊員のAさんがにこやかに対応。
「なんか数年前に徒格の検定内容が変わったんですよね?予備自でさらっと触りだけやりましたけど…」
「そうなんですよ。以前は寸止めだけでしたけど、新格闘では防具を付けての直接打撃や武器を使った格闘、あと1対多数とかですね、わりと難しくなってますね」と女性隊員Bさん。
「今月検定があるからその後だったら教えられたかもね。ちょっとまだ覚えきれてなくて…」
そこへ二人よりも階級と年齢が上の男性隊員Cさんが登場。さっそく白虎野さんが質問攻めに。
「いやあ、新格闘は前と違ってかなり実戦的になっているんですよ。本当に敵を倒すための技術の習得となってますので…。ですのでこれは秘匿せねばならないんです」
「ひとく?」
「ええ、かなり危険な技術です。特別な訓練や専門知識などが必要となってきます。ですので一般の人には教えることはできないのです。また、それを隠すことによって敵から悟られないようにするとかですね…、要するにあまり公にする類のものではないと言うことです」
ちょっと残念そうな表情の白虎野さん。しかし、隊員Cさんの言うことはもっともなことなのです。

         DSC06881.JPG

「やはり自衛隊の基本は“戦闘”ですからね。我々は日頃から敵を倒す…制圧する訓練を行っているわけです。災害派遣が注目されてますけれど“戦うこと”が最初にあるわけでして、そのあたりをまずは理解していただきたいと…」
なにやら隊員Cさんの語る話の内容が少しずれてきたものの、うんうん、と深くうなずく会長。
そうなのです、自衛隊の基本は戦闘行為なのです。
会長が入隊して最初に教えられたこと、それは“命令に従うこと”すなわち“服従”でした。
そして次に教えられたことは“武器の扱い”…敵を倒すこと、すなわち“人を殺す技術”だったのです。
つまり自衛隊…軍隊はそう言う所なのです。あっさり言えば武装戦闘集団なのです。
昨今災害派遣が注目されて自衛隊に対する感謝が多く寄せられています。
感謝されることは単純に嬉しいし光栄に思うのですが、実際は殺し殺される極限の状況を耐え任務を遂行する技術を日々磨き、訓練している暴力装置であり、決してきれい事では済まされない非日常を送っている集団なのです。
塀の内に隔離され、一般社会とは異なる常識の中で日々を送っている集団なのです。
自衛隊賛美・礼賛の記事や声を目に耳にするたびに、会長はなんともむずがゆいような複雑な心境になるのでした。
いったい彼らは自衛隊の本質、軍隊の本質をどの程度理解して発言しているのだろうと疑問に思っていたのでした。
国を守るために、国民を守るために、手を血に染めることも厭わない…。
いや、手を血に染めて平和を維持することが「国民の負託」だと信じ込み日々訓練・任務を重ねている。
その自衛隊の、自衛官の心のうちをいったい一般の国民はどの程度理解しているのだろうか。
その国民の道義的責任をいったいどの程度日本国民は自覚しているのだろうか。……

隊員Cさんは深く突っ込んでは語らなかったのですが、昨今の自衛隊に対する評価を光栄に思う反面もどかしく思っていることが見てとれました。
会長はそこに自衛官としての、軍人としての良心を見た気がしたのでした。

                          


……陸上自衛隊広報センター“りっくんランド”遠足会〜その4〜へ続く

(23.9.14)



  【附録】

 (以下は教育隊での朝礼時に新隊員全員で暗誦した宣誓文。うろ覚えなので正確ではない可能性もあるがご容赦を) 

  
 宣誓

   私はわが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、
   一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、
   心身を鍛え、技能をみがき、政治的活動に関与せず、
   強い責任感をもって専心職務の遂行にあたり、
   事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、
   もって国民の負託にこたえることを誓います。


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