【地下神殿】首都圏外郭放水路見学遠足会【龍Q館】

  • 2012.03.13 Tuesday
  • 13:00

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【開催日】 平成24年3月13日(火)
【開催地】 埼玉県春日部市 庄和排水機場内「龍Q館」(首都圏外郭放水路管理支所)
【参加者】 帰還兵くん…わりとアニメに詳しい自称ソルジャー
       白虎野くん…アーティスト。芋けんぴ大好き
       会長…遠足会主催者。車の運転はかなり下手 

「ああっ、もう何で日本の国道はこう狭くて渋滞ばっかりなんだ!」
声を荒げる帰還兵くん。地下神殿の見学会開始時間の13時まであとわずか。
しかし会長の運転するコンパクトカーは国道4号線をいまだノロノロと走っていた。
「この『去る4月26日』って曲はチェルノブイリのことを歌ってるんだよ」
「えーほんとうですか?」
カーオーディオから流れる音楽は白虎野くんと会長のお気に入りである戸川純やヤプーズばかりである。
白虎野くんいわく「会長がヤプーズを聴けばテンション上がって早く着くんじゃないか?」。
「やばいぞ。このままじゃ間に合わない」
「そんなに焦らなくてもいいじゃないですか。ダメだったらまた次回に…」
「絶対行きたいんすよ!ここは『喰霊-零-』で諫山黄泉が防衛省第四課を全滅させた場所でその戦況検証をしなくては…あ、もしもし?13時から見学を申し込んでいる者ですが…」
「帰還兵さんはよっぽど外郭放水路を見学したいんですねえ♪」
「ああ、そんなに見学に行きたければもっと早く出発すりゃあよかったんだよ。誰かさんがブックオフなんかに寄り道してきたからなあ…」
「…そうですか。はい、はい、わかりました。はい、ありがとうございます」
帰還兵くんはどうやら外郭放水路の見学受付事務所に遅刻する旨を電話連絡したらしい。
「で、どうだった?」
「あ、とりあえず30分くらい遅れても大丈夫らしいっす。まず龍Q館の展示説明があってそれから地下に降りるらしいんで…」
「よかったですねえ♪」

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駐車場に車を駐めると龍Q館2階にある受付に駆け上がる一行。
既に展示説明は始まっていて20数人の団体客が係員の案内に耳を傾けています。
会長は住所氏名緊急連絡先を見学者名簿に記入します。
「こちら見学会参加証になります。他の一般見学者の方と区別するために必要になりますので首からさげてください」
平日の昼下がりである。町外れにあるこの施設に他に一般見学者がいるようには見えないのですが…。
ともかく、見学証を首からさげると遠足会一行も展示説明の集団に加わったのです。
まずは外郭放水路の概略の説明です。
その位置やその意義、そして模型を見ながらその仕組についての解説を受けます。
その後龍Q館の屋上へと登って周辺施設に関する説明。
大型排水ポンプを動かす燃料の貯蔵庫、立抗を掘ったシールドマシンの先端部、調圧水槽地上部に広がるグラウンド、そして龍Q館に2本突き出た柱はポンプ稼動時の燃焼ガスを排気する煙突等々が見渡すことができます。
この日はよく晴れていたので筑波山から秩父連山までよく見ることができたのでした。
「ここで少し休憩時間を取ります。皆さんが集まり次第地下の調圧水槽の見学に出発します」
調圧水槽までは117段の階段、五階建てのビル相当を往復せねばならないそうで、体調の悪い人や足腰の弱い人はここで待機となります。しかしここでのメインイベントたる地下神殿の見学に行かずしていったい何をしに来たんだろうと思ってしまいます。

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廊下にこの施設を訪れた芸能人の写真や色紙が貼り出されています。
「おかしいっすよ。なんで『喰霊-零-』が無いんだ!」
なにやら不満そうな帰還兵くん。
「あ、『マジレンジャー』がありますよ。一緒に写真撮ってください♪」

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さあ、いよいよ地下神殿の見学です。
グラウンドの端にある出入口の扉を開くと地下に続く階段が現れます。
屋外はからからに乾燥していると言うのに階段室は天井から水滴がしたたる程の湿気。
「階段での写真撮影は危険ですのでお控え下さい」
ああ、しかし、その階段からの調圧水槽は絶景なのでした。
おおっ、と思わず声をあげる見学者一同。
広大な空間に何本もの巨大な柱が立ち並んでいる様には圧倒されてしまいます。
調圧水槽に降り立つとしばし解説と注意事項。
足元に目をやるとほぼ乾いたコンクリートの床ですが、これは職員が手作業で溜まった土砂を片付けて見学スペースを確保しているとのこと。こんな物見遊山なお客のためにご苦労なことです。加えて言えばこの見物客たちは一銭も見学料を払っていません。
税金を適正に使っていることのPRとそのチェックの関係…と言えば聞こえはいいのですがいやはや…。
本格的な作業の際はもちろん人力ではなく重機を使用します。
天井からブルドーザーを搬入するそうで、見上げてみれば搬入用スペースが確認できます。
59本あると言う巨大な柱は高さ18mで重さは一本あたり500tもあるそうで、これは調圧水槽が浮き上がらないようにするためのアンカーの役目もあるとのこと。
地下水による浮力は侮れないようで、そう言えば東京駅の地下部分が浮き上がりつつありそれを抑えるための工事云々との話を会長は耳にしたことがあります。

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ちょっと残念なのは全長177mのうち立ち入りできるのはおよそ20数mの部分だけと言うことです。
「ああ、もっと先の方に行きたいのに係の人の監視の目が…」
まあそれは仕方のないことかも知れません。
職員の数は2名であり、30人弱が177×78mの空間を自由に動きまわったらとても把握しきれないことでしょう。しかも見学時間は約10分と限られています。加えて足元の土砂の除去作業もこの広さを確保するのが限界のようです。
「立坑ももっと近くで見たいんですけどねえ」
立入禁止のお約束ラインギリギリまで身を乗り出す白虎野くん。
その気持は会長も同じです。あの立坑に張り付いている階段を降りるとばかり思い込んでいたのでちょっと拍子抜けだったことも否めません。
魅惑の立坑の底が見たくてたまらないのにこの場所からでは全く窺い知ることもできないのです。
「はあ〜、立坑のトンネル入ってみたかったなあ。中が気になるう」
「うーん、トンネルを進行してあの立坑を上昇し、そしてこの調圧水槽に侵入すればジオフロント侵攻ミッションの気分が体験できたかも知れんのになあ」
「え?」
「えーっと、そのう、20世紀の終わり頃に『エースコンバット3エレクトロスフィア』と言うゲームがあってだなあ」
「は?」
「いや、なんでもない…」

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「しかし思ったほど広くなかったな」と会長。
「え?とっても広いですよ。天井も高いし♪」
「帰還兵くん××駐屯地の屋内射場の長さは何mだ?」
「あ、そう言われればそうっすねえ。検定は200っすけど、実際は300の射距離もとれるんで、建物自体は300以上あるっすよ」
つまりこの調圧水槽は射場と比較するとおよそ3分の2程度の全長なのです。
200から300の屋内空間を見慣れている会長は、少々奥行きの迫力には欠ける印象を持ったようでした。
「縦方向の迫力は満点だったがな。立坑の底から天井を仰ぎみたらもっとすごかったかも…」
「まだ言ってるんすか」
「井の中の蛙の気分が味わえるかも〜♪」
「それなんか例えが違ってるような気がするっすけど…」
その時職員さんから「そろそろ終了の時間ですがよろしいですか?集合です」との声が掛かりました。
地上へ続く階段前に見学者たちが集合します。
「よーし、これで『喰霊-零-』の聖地巡礼はコンプリートっす!」
帰還兵くん思わずガッツポーズ。
「とっても嬉しそうですね♪」
白虎野くんもにっこり笑顔。

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(24.3.19)

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【革命的非モテ同盟】 2.12「バレンタイン粉砕デモ」開催のお知らせ 【革非同】

  • 2012.02.09 Thursday
  • 02:14
                                                                                        
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2.12バレンタイン粉砕デモ

デモの集合・解散場所:神宮通公園(宮下公園の北隣、山手線東沿)

14時半:開場

15時:集合、簡単な集会を行う

15時半:デモ出発(この時間は厳守)

16時頃:神宮通公園に戻って解散

17時頃:打ち上げ(予定)

※詳細については決まり次第、順次連絡していきます。

(上記写真・文章は革非同ホームページより勝手に転載)



            2011年クリスマス粉砕デモ〜革命的非モテ同盟〜が今年度も行われるらしい
                    クリスマス粉砕デモ〜革命的非モテ同盟(革非同)〜見学記2011

「で、バレンタイン粉砕デモだ」
「またですかぁ?どうせやるならもっと体制を揺るがすような革命的なデモを…」
「何を言う。これだって充分革命的なデモだぞ。商業主義にまみれた恋愛資本主義を打倒することによって真の自由と平等な社会をだなあ…」
「それを革非同が主張してるんですか?」
「いや、わからん」
「じゃあそれは師匠の考えですか?」
「いや、別にそう言うわけでも…」
「師匠はデモに参加するんですか?」
「いや、今まで同様列中に入ることはない」
「じゃあ見学ですか?」
「いや、残念ながら今回は仕事で行けないんだ、だから代わりにおまえが行って写真撮影をだな…」
「イヤですよ」
「え?」
「行きません。わたし調べたんですよ」
「は?何を?」
「わりと初期の段階でいろいろ揉めてるじゃないですか。革非同に某過激派が関わってるとか何とかで」
「ああ、確かに揉めた時期もあったな」
「でもそれはかなり見当違いです」
「おお、わかってくれるか」
「しかしもっと重大な問題点があると言わざるを得ないでしょう」
「あ?なに?」
「これは“官製デモ”です」
「は?何だって?」
「だからあ、官製デモなんです。これは体制が企画し運営しているやらせです」
「おいおい、それはいくらなんでも飛躍しすぎなんじゃ…」
「まず革非同の創始者であるF氏ですが元自衛官です。おそらく退役は偽装です」
「偽装ってそれはどこからの情報なんだよ…」
「F氏の同期とか戦友とか称する人物たちが団体の中枢にいたこと、デモの参加者に元自・予備自がなぜか何人も見受けられたことは不審です」
「いやあ、元自ってなぜか娑婆に出ると群れることが多くてだな…」
「構成員の多くが国公立大の在校生・卒業生で占められています。主力と言っても過言ではないです。これも体制による何らかの指示があった上での参加であると思わざるを得ません」
「F氏の軍事研究方面が縁で偶然集まっちゃっただけだろ。それは考えすぎだと…」
「また、革非同代表の呼称である“書記長”ですが、これは公安警察官の指令で決定されたとのことでした」
「当時俺はその場に居合わせたんだが、デモ開始前の和やかな雰囲気の中で公安の担当官が発した冗談であってだな、別に指令って言う訳ではなくて…」
「デモのシーズンが迫ってくると警視庁のデモ担当官から連絡が来るそうですよ。『そろそろだけど今期はどうなってるんだ?』てね」
「それは逆だろう。申請に行くのが遅くなったら『なかなか来ないから今期はやらないのかと思ったよ』って言われたこともあったとかで…」
「デモの開催地からルートや時間や服装とかシュプレヒコールのやり方なんかも警察がかなり知恵を絞って提案してくるそうですよ。如何に効率的に民衆にアピールできるかとか指南されているみたいです」
「一時的にせよ公道を占有するわけだからそれなりの指導はあるだろ。交通統制や保安上の問題もあるし、警備に動員できる警察官や車輌の数にも限りがあるわけだから、それに合わせてデモ主催側も譲歩する必要があってだな、その打ち合わせであって別に指南って言うレベルの話では…」
「そして決定的とも言えるのがこの日の丸です。何ゆえ反体制である革命勢力が敵である体制の象徴を掲げねばならないのでしょう?おかしいじゃないですか!!これは体制の息がかかっていることの重大な証拠です!!」

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「俺はわりと初期の段階から日の丸の使用は主張してきたぞ。別に反体制デモじゃ無いわけだからな。提案と関係なく自然発生的に誰かが毎回持ち込み始めたわけであって…」
「そうか、さてはその人物が体制側の意思を伝達する重要な任務を負った反革命分子か!」
「なんでそうなるんだよ!」
「ともかく、これだけの証拠が揃えば官製デモであることは明白。わたしは体制の手先となるのはゴメンです。だから師匠の頼みとあってもバレンタイン粉砕デモには絶対に行きませんっ!」
「また無茶苦茶言ってんなあ。しかし、このレベルで官製デモなんて言ってたら、日本中全てのデモは官製デモだぞ」
「………」
「俺も内情知った時は驚いたけどな。まあ、こっちがシロウトだったってことも多少はあるんだろうが、警察はこんなレベルまで仕切ってくるんかいってくるんかいっ…てな」
「………」
「俺がデモに関する件でちょっと関わったことのある某芸人氏なんてもっと凄かったらしいぞ。単身警察に乗り込んでってデモの申請をしたのはいいが要領がよくわからんかったらしくて、警察が手取り足取り指南してくれたそうだ。もう打ち合わせの段階では“同志”と言った様子で警察側も楽しんでる様子がありありと見えたそうな」
「………」
「まあ、そう言う意味では“官製デモ”って言われても仕方の無い面もあるよなあ。これだけ統制に従って迷惑もかけない集団ってのは警察から気に入られるわけだしな」
「じゃあやっぱり…」
「おいおい勘違いするなよ。別に“体制”が非モテだの粉砕だのを言い出したわけじゃないんだから。まあ、この集団においては体制に近い場所にいた人達が始めたことは確かだが、だからと言って“体制”ってわけじゃあない」
「だから疑惑が生じるわけで…」
「て言うか、おまえの言うような疑惑って初めてなんで正直戸惑ってんだが、今まで逆の疑惑の方が多くてだなあ」
「じゃあ認めるわけですね?」
「おいおい、結論を急ぐなよ。しかし疑惑を深めるわけではないが、当初公安が張り付いていたんだがいつの間にやら来なくなったんだよね。過激派との繋がりを疑ってたのにさっぱりだったから肩透かしを食ってもう行くだけ無駄足だって公安には判断されたらしくてな」
「ほら」
「ほら…って言われてもなあ」
                       

「ところで官製デモってもっと大規模なもんじゃないのか?」
「おそらく予算や人員の問題で今はまだこの程度なんですよ」
「で、いったい何の意図があって体制側がこんなデモをやらせてるんだ?」
「そ、それは……」
「こっちこそほら、だよ。表層だけで判断するから変な結論にたどり着くんだ」
「……」
「しかしおまえも他人のこと勘ぐってられる立場じゃないってことぐらい、そろそろ自覚しろよな」
「え?なんですか?」
「すっかり忘れてるようだが、おまえも軍籍があるじゃねえか」
「あ……」
「あ、じゃねえだろが。まるで他人ごとのように話しやがって。この体制の犬め」
「いえ、これはその、それはそれで、臨時職であって別に常備ではなくて、自衛隊は日本の平和と国民と国民の財産を守ることが主任務であるのですから、革命になればそのまま革命軍に編入されることは確実であり、ですのでこれは矛盾とか不自然とか疑惑とか不審はまったくなくてですね……」
「ちょっと、なに言ってんだかよくわからねえんだけど」
「師匠のような反革命の右翼の方には理解していただくのは難しいと思います」
「はあ?!」
「だ〜か〜らあ、官製デモにはわたしは参加しないんです!」
「まだ言うか。しかしだな、体制だの既存政治団体だののヒモ付きなんかじゃないデモってのは貴重な存在なんだぞ。
ほんと冗談みたいな活動だがな、これがどこに向かってどんな結果を生むかなんて今はまだ未知数なんだがな、何年も継続しているうちに何らかの成果があがるかもしれない。
自分自身のみならず世の中にも何らかの影響を与えるかも知れない。
だからだな、おまえのような者たちはここに集い新しい友を作りいつか来る新しい時代のためにだな…」
「師匠は随分と楽観的と言うか日和見的と言うか」
「なんだと?」
「と、ともかくですね、わたしにとってバレンタインデーはいろいろと忙しい日なんです。チョコレートも手作りしなきゃならないし。ですので今回も辞退します」
「そんなもん作ってる暇があったらデモに行けよ。どうせ振られて無駄になるんだから」
「ひ、ひどい…!」

       

(24.2.5/2.8)

 

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【予備自衛隊訓練】 二日間で娑婆に戻った

  • 2012.02.01 Wednesday
  • 13:31
                                  予備自衛隊訓練・朝霞駐屯地食堂での邂逅
           
                SH3E0088.jpg

「こんばんわ師匠!お疲れ様です!」
「あ、ああ、おまえか。お疲れ様」
「師匠、なんか駐屯地に行ったそうですが…?」
「ああ、予備自の訓練に行ってきた」
「訓練?またですか?こないだ行ったばかりじゃないですか!師匠はよほど訓練が好きなんですね」
「はあ?なに言ってんだ?予備自訓練は年5日間じゃないか。俺は前回3日間しか出頭してないから、残りの2日間を出頭してきただけだ」
「分割できるんですね」
「できるんですねも何も、5日間通しで出られる奴なんて、理解ある会社に居る奴かよっぽど暇な奴しかいないぞ」
「……で、いったい今回は何を訓練したのですか?銃撃ちました?」
「いや、前回で射撃検定は終わってるし、今回は月火の出頭だから、大したことはしていない。
 て言うかおまえ前回5日間通しで出てるだろう。大体想像はつくはずだろ」
「うーん、じゃあ、救命法と座学と地本行事と解団式ですか」
「わかってるじゃねえか!」
「座学って眠くなりますよね。まあ、わたしは眠くなることはありませんけど」
「どっちなんだよ。どうせ居眠りしてんだろ…って、俺も他人のこと言えないんだがな。さすがに昼飯をがっつり食ったあとで座学だと眠くなるわな。今回もうつらうつらしながらだった」
「それはよろしくありませんねえ。これはお仕事なんです。国民の税金から予備自手当が…」
「税金も満足に払ってない奴がよく言うよ」
「払ってますって!」
「どうせ間接税だけだろう」
「…そんなことより、わたしが聞きたいのは座学の内容ですよ。何やってきたんです?」
「今回は法務教育だった」
「ホーム教育?」
「自衛隊の武器使用や武力の行使の根拠になってる法律に関しての講義を受けた」
「で、その根拠とは?」
「………」
「まさか憶えてないんですか?これは重要なことですよ?」
「………」
「新隊員の時から繰り返し習ってますよね?まさか十数年も自衛隊に籍を置いてて簡単な説明すらできないとか…」 
「ああ、うるさいな、悪かったよ、講義中居眠りしてたよ。しかも頭が悪いから説明できるほど憶えてないよ。しかし、自衛隊は一般社会の法律を根拠に使用する武器の選択とか使用状況が決まってくるってことは理解した」
「これは大事な事柄ですからね、しかしまあ基本的なことさえ理解していただければそれでいいです」
「…って、おまえ何様だよ!」
「例えば駐屯地警備の際ナイフを手に侵入を試みた暴漢に対し、FH70で応戦するのは警察比例の原則に基づけば過剰防衛にあたるので…」
「おい、その例示は極端過ぎるだろ!それ以前に使用する武器の選択を間違ってる!」

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「しかしだな、教官に対して面白い質問をした人がいてな」
「なんですか?」
「新聞紙に包まれた箱状のモノを持ち歩いている人物が居てだな、その中身がプラスティック爆弾10kgであると何らかの手段・情報により自分は知り得たとする」
「はあ…」
「その人物はそのプラスティック爆弾10kgをこれから国会もしくは官公庁へ仕掛けようとしていることが判明した」
「それは革命的行為ですね」
「……通報するにも応援を呼ぶにも時間的余裕が無かったので自分はその人物を木刀で殴り倒し、プラスティック爆弾10kgの設置および爆発や自爆を阻止した」
「木刀をふつうに所持している時点でアウトのような気がしますが…」
「この人物は自分に対し危害を加えようとしていたわけではないが、国会もしくは官公庁を狙っていたわけであるから、すなわち国民の財産および国民に対し危害を加えようとしていたわけであり、その場合、一国民である自分がその人物に対し木刀を振るった行為は正当防衛と判断されるのか否か、との問いかけだった」
「それ以前に反動的で反革命的な…」
「おい、逆の状況考えてみろ、人民評議会議事堂に反動的反革命勢力の一員がプラスティック爆弾10kgを仕掛けようとしていたら…?」
「………」
「それでおまえがそいつを殴り倒したとする」
「そ、それは重大な事態ですね。で、教官はなんて答えたんですか?」
「教官はかなり悩んでいた。それは公務中なのかそれ以外の状況なのかとか混乱しつつもその人に質問してだな、結論としては、まずは自衛隊の公務中にあり得る武器使用の判断事例を考えてみましょうと言うことになった。
もし予備自が招集されて駐屯地警衛や検問の際の武器使用等の法的根拠が今回の講義内容だったからな。質問が飛躍していたことも確かだ」

            SH3E0086.jpg

「あと地本の話も興味深かったな」
「東日本大震災の災害派遣の話ですか?」
「やっぱり前回も話があったか」
「まずは即応予備自衛官が約2500名くらい、予備自は語学と医師の技能隊員が計約10名、一般が延べ4千数百名程度が招集されたって言ってましたね」
「即応は現地に派遣されたみたいだ。語学隊員は米軍との通訳やってたらしいな。医師は現地に派遣された駐屯地医の補充で駐屯地医務室勤務だったらしい」
「一般隊員も現地に派遣されることは無かったみたいですね。警衛、補給とか、業務隊の指揮下で駐屯地の諸業務とかが主任務だったみたいで…」
「つうか、これは予想の範囲内だったと言うか。予備自が現地に派遣されるってことは可能性としては低いだろうって俺は当初から思ってたんだよね。て言うか、もともと現役部隊の抜けた穴埋めのための予備自隊員だから駐屯地勤務になるってことは想像がついていたわけで…」
「まあ、冷静に考えればそうですけど…」
「危険な現場に出させて娑婆の職場に復帰できないような事故にでも遭ったら大変だからなあ。管理が容易な場所に置いて使うってのが常識的な判断だろうな」

                    SH3E0089.jpg  

「ところで師匠は来年度はいつくらいに出頭する予定ですか?」
「来年度って気の早い話だな」
「また一緒に訓練出たいので」
「やだよ」
「なんで?一緒に行きましょうよ」
「おまえと一緒だと面倒くさいことばっかりだ」
「ひ、ひどい…」

(24.2.1)

 


                         
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